神道とのかかわり深い稲作

私達共生学舎では食育と農業体験の輪を広げることを大きな活動方針に掲げていますが、この中の大きな柱が〝米作り〟です。毎年田植えと稲刈りのイベントを開催して子ども達や保護者の方に参加いただいており、今年も6月1日に田植えイベントを開催する予定で、現在準備を進めています。
最近は農業従事者の高齢化や米離れといった憂慮すべき状況になってきていますが、日本人と稲作というのは切っても切れないものです。
日本は別名「豊葦原瑞穂の国」と言われています。この瑞穂というのはみずみずしい稲穂のことを指し、稲が多く採れることから、この名前が日本の国の美称として使われているのです。
稲作が始まったのは約 3000年前くらいと言われていますが、日本の神様や神道と深い関わりあいがあり、さまざまな祭祀が行われています。
宮中においても、毎年、天皇陛下自らが田植えや稲刈りをされ、収穫したお米を神様にお供えし、〝国家の安寧と国民の幸福を祈り、自然の恵みに感謝の意を伝える「新嘗祭(にいなめさい)」〟が執り行われています。
また、日本各地の神社でも豊作を祈る「御田植祭」や恵みに感謝する「新嘗祭」等が受け継がれています。
日本は気候風土が稲作に適していたこともあり、人々が集まって集落を形成し、お互いに協力しながら安定した食料を確保することができるようになり、国の発展につながってきたのです。
なお、日本の国造りの神話の中には稲作に関する興味深いエピソードが含まれていますので、別途紹介します。
(文責 中尾直史)

2024年05月30日