学校現場での勤務を終えた後、しばらくは学校の経営に関する助成や進路の相談等のお手伝いをしていましたが、コロナ禍のためほとんどの活動を休止することになり、最近は〝食育と農業体験の輪を広げる〟活動の一方で〝子や孫の世代に伝えたい日本人の心〟の啓蒙活動をしています。
その中で、しばしば小さい子どもを持つ保護者とお話しすることがありますが、想像している以上に子育てに悩んでおられる方が多いように感じています。
まず挙げられるのは「気持ちの余裕がない」ということです。この理由としては核家族化が進み祖父母と同居しなくなった、子ども達が戸外で遊ぶ機会が減り、家の中で自分の部屋に閉じこもってスマホでゲームする時間が増えた、夫婦で働くようになった等 社会環境が大きく変化したことがあげられるのではないかと思います。
そして、幼稚園や小学校の低学年から塾や英会話教室等に通わせるといったケースも散見されます。また、時間がないからという理由で家庭での教育はなおざりにされ、学校や塾の先生に任せてしまっているという傾向が強くなっています。
しかし、社会で役立つのは知識偏重型の学力ではなく、思いやりや優しさ、志といった人間としての根っこを育てることです。
親にとって子どもが成長していく姿を見ることは人生にとって何事にも代えがたい大きな喜びであり、子育ては親にとって最高の行為であると思います。
私達共生学舎には教育現場で勤務していた人が私を含めて5人いますので、これから子育てについて意見交換をしながら順次取り上げていくことにします。
(文責 中尾直史)