日本の家庭から失われたものの3つ目は国旗(日の丸)です。かつて日本では大家族で生活することが多く、日本の歴史や文化、伝統といったものは親から子へ、子から孫と伝えられてきました。しかし、今は核家族化が進み家庭において、これらのことを子ども達に教えることができなくなってきました。
近年、グローバル化が急速に進展し、生活習慣や宗教、歴史、文化、物の考え方等の全く異なる国や人達と共生していかなければならない状況になってきました。この結果、まさに〝日本の常識は相手国にとっては非常識〟ということも多々見受けられます。これらの解決ためには他国のことをよく知っておく必要があるという議論が出てくるのは当然です。
しかし、その前にまずやっておかなければならないのは〝日本や日本人についての理解を深めておく〟ことです。とりわけ日本という国の素晴らしさや日本人としての誇りを持つことで、国際社会の一員として尊敬され信頼されることが大切です。
ある国の文化や生活習慣、歴史を知るには、まず〝暦(カレンダー)を見よ〟と言われますが、世界のどの国を見ても祝日や記念日は、国民にとって非常に意義深い節目となる日なのです。
しかし、今の日本では、昔のように各家庭で祝日に日の丸を掲揚することもほとんど見かけなくなりました。
そして、国旗が掲揚されるのはオリンピックやサミットの開催、国際的なスポーツ祭典、一部の国家行事、警察や官公庁に限られています。また教育現場やマスコミ報道においても話題に上ることが少なくなり、国民の生活とはかけ離れた位置づけになっています。近年、祝日法の改正により大型連休が増えましたが、残念なことに〝単に休む日が増えた〟という感覚で過ごす人が大半になっているのは憂慮すべき状況ではないでしょうか。
現在、日本の祝日は年間に16日ありますが、今後制定の趣旨についても取り上げていきたいと思っています。
(文責 中尾 直史)